ワンショット回路の設計方法
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ワンショット回路とは、入力のオン信号を検出して一定時間のHiパルス信号を出力する回路です。
例えば、スイッチを押すと1秒間だけLEDを点灯させるといった用途で使われます。
ワンショット回路のタイムチャート
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入力に長いHi信号が入力されても、一定の短い時間だけHiを出力します。
ワンショット回路というと、一般的にはこちらのイメージだと思います。
エッジトリガタイプ
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入力のHiエッジを検出して、一定時間出力をHiにします。
ワンショットマルチバイブレータ、単安定マルチバイブレータなどと呼ばれる場合もあります。
ワンショット回路の回路図と動作原理
3種類のワンショット回路について説明していきます。
トランジスタで作る場合
スイッチを押すと、一瞬LEDが点灯する回路を考えます。
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スイッチをオンすると、V1の電圧がHi(5V)になります。
この時、C1がカップリングコンデンサとして働き、V2の電圧が5Vまで持ち上がります。
V2の電圧がMOSFET:Q1のVTHより高くなるのでQ1がオンし、LEDに電流が流れて点灯します。
V2はR2によって放電され、徐々に電圧が低下していき、VTHを下回るとQ1がオフし、LEDが消灯します。
タイマー時間(ワンショット時間)はC1とR2の時定数で決まり、次のように計算できます。
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VCCは電源電圧です。
ロジックで作る場合
ロジックICやIC内部でワンショット回路を構成する場合の回路図です。
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入力信号:Vinを分岐し、片方をRCとNOT回路によるディレイ回路に入力します。
V2はRCの時定数で決まる時間分遅延した反転信号が出力されます。
VinとV2のANDを取ることで、RCで決めた遅延時間分の短いワンショットパルスが生成されます。
ワンショットパルスの時間は次のように計算することができます。
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VHは入力信号:Vinのハイレベルです。
単安定マルチバイブレータ回路
エッジトリガタイプの単安定マルチバイブレータ回路です。
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初期状態(SWオフ)では、Q2がオンするのでVoutは0V、Q1のベースも0VなのでQ1がオフです。
SWがオンすると、V1が0VとなりQ2がオフしVoutがHiになります。
この時のHi電圧は、R3とR4の抵抗分圧で決まります。
VoutがHiになるので、Q1のベース電圧が上昇してQ1がオンしてV2が0Vとなります。
SWがオフすると、C1がR2で充電され、C1×R2の時定数でV1の電圧が上昇します。
V1がQ2のVBEまで上昇してオンすると、Voutが0Vとなり、初期状態に戻ります。
タイマ時間は、SWがオンしている時間とC1×R2の時定数で決まる時間の合計となりますので、次のように計算できます。
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