ウィンドウコンパレータとは?回路の動作原理と設計計算方法について解説
ウィンドウコンパレータとは、入力信号が一定の範囲内に入っていることを判定する用途で使われるコンパレータ回路です。
異なる2つの閾値を持ち、入力電圧が2つの閾値の間にあればHiを出力し、外側にあればLoを出力します。
この特性が窓のようになっているためウィンドウ(window)コンパレータと呼ばれています。
ウィンドウコンパレータの回路
ウィンドウコンパレータは通常のコンパレータを2つ使って構成します。
コンパレータの設計方法とヒステリシスの作り方
このコンパレータの出力形式はオープンドレイン、またはオープンコレクタである必要があります。
2つの出力が接続されているので、両方の出力がHiのときだけVoutがHiとなります。
ウィンドウコンパレータICとして販売されているものでも、上記と同様に内部はコンパレータが2つあるだけのものが多いでしょう。
動作原理
ウィンドウコンパレータの論理は次のようになります。
入力電圧がVT1を超えると、CMP1の出力がHiに切り替わります。
さらに上昇してVT2を超えるとCMP2の出力がHiからLoに切り替わります。
2つのコンパレータ出力がHiの領域、つまりVT1<Vin<VT2の領域でVoutがHiとなります。
設計計算
例として、入力電圧が1V~3Vの範囲にあることを判別するウィンドウコンパレータを設計します。
VT1、VT2は次のように計算できます。
ここで、R1=20kΩ、R2=20kΩ、R3=10kΩとすれば、VT1=1V、VT2=3Vとなります。