アクティブフィルターとは?特徴とメリットとデメリットを解説
アクティブフィルタとは、オペアンプを使ったフィルタ回路です。
パッシブフィルタと違い、フィルタに様々な特性を持たせることができます。
本稿では、アクティブフィルタとパッシブフィルタの違いと、アクティブフィルタの種類について解説していきます。
アクティブフィルタとパッシブフィルタの違い
パッシブフィルタは、受動部品(抵抗・コンデンサ・コイル)を使ったフィルタです。
対してアクティブフィルタは、能動部品(オペアンプ)と受動部品を組み合わせて構成されます。
特性や、その他設計に関する違いを比較してみます。
項目 | アクティブフィルタ | パッシブフィルタ |
---|---|---|
電源 | 必要 | 不要 |
設計難易度 | 高 | 低 |
出力インピーダンス | 低 | 高 |
増幅 | 可 | 不可 |
減衰特性 | 高 | 低 |
コスト | 高 | 低 |
アクティブフィルタ回路の種類
アクティブフィルタにはどんな種類があるのかを紹介していきます。
1次フィルタ
1次のアクティブフィルタとして代表的なのが積分回路と微分回路です。
積分回路はこのような回路で、ローパスフィルタとして働きます。
オペアンプを使った積分回路の原理と動作波形、用途について解説
微分回路はこのような回路で、ハイパスフィルタとして働きます。
オペアンプを使った微分回路の動作原理をシミュレーション波形を用いて解説
サレンキー型フィルタ
VCVS型(電圧制御電圧源型)アクティブフィルタで、高次のフィルタを構成することができます。
例えば、サレンキー型の2次ローパスフィルタはこのような回路です。
サレンキー型アクティブフィルタの伝達関数、原理、設計計算などの詳細については、以下の記事を参照してください。
サレンキー型2次フィルタの特性と設計計算
サレンキー型3次フィルタの特性と設計計算
多重帰還型アクティブフィルタ
複数の帰還経路を持ったアクティブフィルタです。
こちらも高次のフィルタを構成することができます。
例えば、多重帰還型のローパスフィルタはこのような回路です。
多重帰還型アクティブフィルタの伝達関数、原理、設計計算などの詳細については、以下の記事を参照してください。
メリットとデメリット
アクティブフィルタのメリットは次の通りです。
- 高い減衰特性を持たせることができる
- 高次のフィルタを作ることができる
- 出力インピーダンスが低い
- 増幅作用を持たせることができる
デメリットは、
- 設計計算が難しい
- 回路規模が大きくなる
- コストが高くなる
- 動作電源が必要
といった部分です。