過熱保護とは?回路と機能を解説

過熱保護回路

過熱保護とは、デバイスの過剰な温度上昇を検知し動作を停止させることで、デバイスの破壊を防ぐ機能です。
OTP(Over Temperature Protection)と略されたり、過温度保護、サーマルシャットダウン(TSD)と呼ばれることもあります。

過熱保護回路

温度を検知する素子としてはサーミスタやポジスタ、IC内部であればツェナーダイオードの温度特性を利用します。
下図は正の温度特性を持ったツェナーダイオードを使用した回路図です。

過熱保護回路

温度が上昇し、ツェナー電圧の抵抗分割値がしきい値(Vref)を超えるとサーマルシャットダウン信号を出力し、回路を停止させる仕組みです。
しきい値にヒステリシスを持たせ自己復帰させるタイプと、ラッチオフし、CPUなどの外部制御によって復帰するタイプがあります。

過熱保護の用途

過熱保護が搭載されるデバイスには次のようなものがあります。

  • レギュレータ
  • パワーアンプ
  • 大電流ドライバ
  • CPU
  • DSP
  • IPD(※)

など、主に自己発熱が大きいデバイスに搭載されています。

※IPD(Intelligent Power Device):過熱保護、過電流保護等のフェールセーフ機能を備えた高機能FET

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