A級、B級、C級、D級アンプの違い

A級~D級アンプの違いをまとめました。

クラス 回路図 効率 歪み 用途
A級 A級アンプ ~50% 一般増幅回路
オーディオ
B級 B級アンプ ~78% × 一般増幅回路
オーディオ
AB級 AB級アンプ ~78% 一般増幅回路
オーディオ
C級 C級アンプ ~90% × 高周波回路
D級 D級アンプ ~90% × オーディオ

A級アンプ

増幅素子が1つであり、常にバイアス電流が流れているため歪みが小さいので、高音質を求めるオーディオアンプで使われます。
反面、効率が悪いのがデメリットになります。

A級アンプの動作原理

B級アンプ、AB級アンプ

2つの増幅素子を使ってプッシュプルで動作させます。
A級アンプより効率は良くなりますが、2つの増幅素子の切り替わりでクロスオーバー歪みが発生します。

歪みを改善したのがAB級アンプで、A級アンプとB級アンプの中間のような動作をします。

B級アンプとAB級アンプの特徴、動作原理

C級アンプ

増幅素子を入力信号の半周期以下のサイクルで導通させる方式です。
歪みが大きいのですが、効率が良くなります。
オーディオでは使われず、高周波回路で使用されます。

C級アンプの回路図と動作

D級アンプ

スイッチングアンプ、デジタルアンプとも呼ばれる方式です。
オーディオ信号より十分高い周波数でデジタル化したPWM信号を生成、これをフィルタリングしてアナログ信号に戻します。
90%以上の高効率も可能ですが、高周波ノイズが発生するというデメリットがあります。

D級アンプの回路と動作原理

この記事のキーワード

関連記事
D級アンプの回路と動作原理

D級アンプとは、スイッチング動作により矩形波を生成し、入力信号レベルに応じてパルス幅を変調して出力する方式です。 スイッチング動作なので効率が良く、90%を超える高効率も可能です。 デジタルアンプ、スイッチングアンプという呼び方もされます。 A級、B級、C級、D級アンプの違い I…

電流帰還バイアス回路の原理と設計計算の方法

電流帰還バイアス回路とは、エミッタ抵抗によって負帰還(フィードバック)を構成し、ベース電流(バイアス電流)を制御することができる増幅回路です。 エミッタ接地回路と比べ電圧利得は下がるが、周波数特性、ノイズ、歪みが改善し、温度変化によるばらつきも抑えられます。 エミッタ接地回路の特…

トランジスタの動作点とは?求め方、決め方を解説

トランジスタの動作点とは、ある入力バイアス条件におけるコレクタ-エミッタ間電圧:VCEと、コレクタ電流:ICで決まる点です。 VCE-IC特性と負荷線が交わる点が動作点になります。 本稿では、負荷線を用いた動作点の求め方と、エミッタ接地増幅回路の動作点の決め方について解説していき…

負性抵抗の原理と回路例

負性抵抗とは、マイナスの抵抗値を持った素子、または回路で、印加する電圧が大きくなると電流が減少するという特性を持っています。 負性抵抗となる素子としては、トンネルダイオードやサイリスタがありますが、本稿ではオペアンプやトランジスタを使った能動的な回路の動作や用途について解説してい…

インバーテッドダーリントン接続の特徴と発振対策

インバーテッドダーリントン接続とは、NPNトランジスタとPNPトランジスタ組み合わせて構成した高hFEの増幅回路です。 NPN-PNP接続はNPNトランジスタと等価、PNP-NPN接続のものはPNPトランジスタと等価となります。 PNP-NPN接続のものは疑似PNPと呼ばれること…