eCallとは?車両緊急通報システムの仕組みと義務化の状況

車両緊急通報システム

eCallとは、自動車が衝突事故を起こした際に、センターへ自動車の状態、位置情報などのデータ送信と音声通話を自動的に行うシステム、サービスです。
救助までの時間を短縮し、自動車事故によって失われる人命を減らす事を目的としています。
車両緊急通報システムとも呼ばれます。

近年ではTCU(テレマティクス制御ユニット)と一体化されることも増えてきています。

TCUとは?車載テレマティクス制御ユニットの機能と構成

eCallの仕組み

eCallの仕組み

自動車に搭載されたeCallシステムが作動するのは、次の2つの条件のどちらかです。

  • エアバッグが作動する
  • 手動で緊急通報ボタンを押す

eCallシステムが作動すると、センターへ車両の識別情報、状態、位置情報が送信されます。
同時に音声通話が開始されます。

センターは事故の状況を確認し、救急センターへ緊急車両の出動を要請します。

ERA GLONASS(エラ・グロナス)とは

ERA GLONASSとは、ロシアで搭載が義務化されている車両緊急通報システムです。

eCallと基本的な仕組みは同じですが、違いは欧州eCallが衛星:Galileoを使っているのに対し、ERA GLONASSでは衛星:GLONASSを使用していることです。

各国の義務化、法規化の状況

搭載義務化状況
欧州(EU) 2018年3月31日からeCallの搭載が義務化
ロシア 2017年1月からERA GLONASSの搭載を義務化
アメリカ 1996年GMが緊急通報サービスを開始、義務化はされていない
日本 義務化を検討中
関連記事
D級アンプの回路と動作原理

D級アンプとは、スイッチング動作により矩形波を生成し、入力信号レベルに応じてパルス幅を変調して出力する方式です。 スイッチング動作なので効率が良く、90%を超える高効率も可能です。 デジタルアンプ、スイッチングアンプという呼び方もされます。 A級、B級、C級、D級アンプの違い I…

シャントレギュレータの動作原理と使い方

シャントレギュレータとは、一定の電圧を出力する定電圧源で、電圧制御用のトランジスタが負荷と並列に入るものを言います。 上流に設置された抵抗を介して電流を引き込むことで電圧降下を発生させ、一定の電圧になるように電流値を制御します。 代表的なICに、TL431などがあります。 IND…

特性インピーダンスとは?導出・計算方法について解説

特性インピーダンスとは、伝送線路に交流信号が通った時に発生する電圧と電流の比です。 例えば、同軸ケーブルでは特性インピーダンスが50Ωですが、これは抵抗値が50Ωというわけではありません。 DCでのインピーダンスはほぼゼロですが、高周波を通した時には同軸ケーブル内に存在する静電容…

eFuseとは?

eFuseとは、過電流を検知するとMOSFETをオフして負荷を切断する半導体スイッチICです。 ポリスイッチなどの通常のフューズと置き換えが可能です。 通常のヒューズが負荷切断までに時間がかかるのに対し、eFuseは検知が速く、すぐに切断動作を行えるため、安全性が高いというメリッ…

オートディスチャージ機能とは?原理と回路設計方法を解説

オートディスチャージ機能とは、レギュレータやロードスイッチがオフした時に出力コンデンサの電荷を放電する機能です。 「放電シャント」という呼び方をしているメーカーもあります。 オートディスチャージの目的はオフシーケンスの遵守です。 シーケンサーでレギュレータをオフしたとしても、出力…