グランドとアースの違い【種類、記号一覧】

グランド(GND)とは、回路の基準となる電位で、基本的には0Vとなります。

アース(接地)とは、大地への接続することを指します。
電子機器に漏電が起こっても、大地へ電気を逃がすことで感電を防ぎます。

グランドとアースの違いは、

  • グランドは回路の基準電位
  • アースは感電の防止が目的

です。

グランド、アースの種類と記号

分類 記号 概要
グランド シグナルグランド(SG) アナロググランド(AGND) アナロググランド 回路動作の基準となるGNDです。ノイズの重畳を避けるため、回路ブロックごとにGNDを分離します。アナロググランドは微小信号を扱うアナログ回路のGNDでノイズに弱いため、変動の大きいデジタル回路や大電流を扱うパワーグランドの影響を受けないようにする必要があります。
デジタルグランド(DGND) デジタルグランド
パワーグランド(PGND) パワーグランド
フレームグランド(FG) フレームグランド 筐体(フレーム)が回路の基準電位となる場合に使われる。複数基板を搭載した製品で、全体の共通GNDとして各基板のGNDをフレームに接続します。シャーシグランド、ケースグランドとも呼ばれます。
アース シグナルアース シグナルアース シグナルグランドの電位をより安定化する目的で大地に接続することを指します。シグナル接地とも呼ばれます。
フレームアース アース フレームグランドを大地に接続することを指します。冷蔵庫や電子レンジのコンセントに見られる3つ目の端子がフレームアースに当たります。アースすることで感電をふせぐことができます。フレーム接地とも呼ばれます。
プロテクティブアース(PE) 保護接地 一般的に「アース」と呼ばれるものはこれを指します。漏電した電気をアース線から大地へ逃がすことで感電を防ぎます。保安グランド、保護接地とも呼ばれます。
動画で電子回路の基礎を学ぶ

Analogistaでは、電子回路の基礎から学習できるセミナー動画を作成しました。

電子の動きをアニメーションを使って解説したり、シミュレーションを使って回路動作を説明し、直感的に理解しやすい内容としています。

これから電子回路を学ぶ必要がある社会人の方、趣味で電子工作を始めたい方におすすめの講座になっています。

電子回路を動画で学ぶ

【内容】

  • 電気回路の基本法則
  • 回路シミュレータの使い方
  • コンデンサ・コイルとインピーダンス
  • フィルタ回路
  • 半導体部品の基礎
  • オペアンプの基礎
関連記事
よくあるLDOの故障モードと不具合対策

LDOのICを使って電源を設計した際に起こる、よくある不具合、故障モードについてご紹介します。 合わせて学習 LDOの基礎から応用まで全てを解説 シリーズレギュレータの内部回路と動作原理を解説 INDEX負電圧による誤動作、破壊入出力電圧逆転による回り込みオーバーシュートによる後…

USB
USB PD回路設計に必要な基礎知識

USB PD(Power Delivery)とは、USB type-Cケーブルを使って、最大100W(20V/5A)までの電力を給電できる規格です。 USB PDのメリットは以下のようなものです。 従来以上の急速充電が可能 電圧切り替えができるので、PCなど様々な機器を充電できる…

フラバックコンバータの動作原理と回路設計の手順を解説

フラバック電源とは、スイッチング電源の方式の一つで、1つのスイッチング素子とトランスを使って電力変換を行います。 AC/DCコンバータ等で使用され、ダイオードブリッジで整流された直流電圧を目的の出力電圧に降圧することができます。 本稿ではフラバックコンバータの動作原理、周辺部品の…

電流モード制御とは?種類と電圧モードとの違いを解説

電流モード制御とは、スイッチングレギュレータの制御方式の一つで、コイル電流をフィードバックして出力電圧の制御に使うことを特徴としています。 電圧モードが出力電圧を制御しているのに対し、電流モードは設定した出力電圧にするために必要な電流を制御する方式と言えます。 >>各メーカーの電…

技術職の転職が難しい理由と成功の秘訣

技術系の転職は難しいと言われます。 その理由は3つあります。 即戦力が求められる 特定の専門分野に技術が特化しすぎている 新しい技術に対応できない 本稿では、技術職の転職が難しい理由の解説と、それでも転職を成功させるための秘訣を紹介します。 INDEX技術職の転職が難しい3つの理…